第二章〜街へ〜
第六話〜つかの間の日常〜
異世界にきて、初めての朝。
「お〜い、りょーこー起きろー!」
俺の起きて最初の仕事は、地球と同じだった。
「お〜い、りょーこー。」
幼馴染だった俺と涼子は、毎朝一緒に学校に通っている。
中学までは、通り道だったからよかったものの、高校に入ってから、
俺は毎朝、500mも離れたこいつの家に走って起こしに行き、
その後こいつに、朝の身だしなみをさせ、2km離れた学校に走って登校する。
ちなみに自転車は、涼子によって原型がわからなくなるぐらいに破壊された。
「おーい、りょーこー。」
この世界に学校はないものの、さすがに昼過ぎにいびきかいて寝てるのは、やばいだろう、
って事で、いつもどおり俺がこいつを起こしているわけだ。
でもって、いつものようにこいつは起きず、いつものように俺は切れるわけだ。
「おーい。りょーこーいい加減おきないと。」
そういって俺はこぶしを高く振り上げ、
「天誅!」
の掛け声とともに、こぶしを振り下ろした。
無論、殺意満々、本気だ。
『どすっ!』
でもって、涼子はいつものように一瞬で目を覚まし、いつものように、
「おはよ♪翔平。」
と笑顔で言いながら、俺にコブラツイストをかましているわけだ。
「お、おはよ、涼子。でさ、そろそろやめない?」
「あ、ごめんごめん。またやっちゃてた。あは♪」
そういって、コブラツイストをとく。
そうこいつは、無意識で俺に技をかけているのだ。
そしてこの癖のせいで、俺は傷が耐えたことがない。
「何が「あは♪」だよ。いい加減そのくせ直せよなー。」
て、言うかあれはもう癖の範囲超えてるだろ・・・
「うん、考えとく。」
「頼むぞ。」
マジで身が持たん
「うん。で、今から何すんの?」
「あぁ、それなら孔児とさっき、相談してたんだが、今からルナに村の案内してもらおうと思ってさ。」
「あ、それいいね、じゃぁ、早く行こ。」
「おい。」
「ん?何?」
「とりあえず、飯食って、顔洗って、歯ぁ磨いて、着替えろ。」
「うん。そうだね、わかった。」
「はぁー。」
ここに来ても俺はこいつの保護者なんだなー。
俺は心底そう思った。